■ dustbin ■
 
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■ happy birthday!!   (DATE.2006/09/12) 
 
 
 
 
 
 信じて間違いなんかなかった。
 トレーニング方法も、プレイスタイルも、パートナーについても、その多くは跡部の助言を受け入れた形だ。
 もともと、考えるのが苦手ってのもあんだけどよ。
 跡部の言う事聞いてりゃ、間違いねーし。
 モーモク的なシンコーって奴?そんなんじゃ、ねーけど。
 跡部は友達だぜ?偉そうだし傲慢だし厳しいしおっかないけど・・・・友達なんだ。
 
 
 
 あの時。
 
『俺達は・・・・あいつに繋げなきゃなんねーんだっ!』
 
 ボロボロになった宍戸の叫びに、ガツンとやられた。
 今にも倒れそうな癖に、目だけはギラギラ闘志に満ちてた。
 宍戸と鳳のペアが負けたら、勝敗はもうそこで完全に決まっちまってたんだ。
 俺達――日吉とのダブルス2ペアが負けちまってたからな。
 
 俺は、あいつに何を残せたんだろう。
 甘えて、頼って、寄りかかって、おぶさって。
 重かっただけだよなー。
 最後の最後の勝負だったってのによ、跡部に勝ちを渡す事ができなかった。
 侑士とのペアん時も駄目だった。宍戸達が出張ってくるまで、氷帝最強ダブルスだったのにな。
 力いっぱい試合した。後悔なんかない。持てる力の全てを出し切った。
 だけど・・・・負けちまった。
 あーあ。勝って、褒めて貰いたかったよな。
 勝つとさ、全然嬉しそうな顔じゃない癖に、喜んでんだよ。
 ぽん、と叩いてくる背中の感触が、すっげぇ好きだった。
 
 跡部、ごめん。
 その一言も、実はまだ口に出せていない。
 
 
 
「向日」
「あー・・・・跡部、おはよ」
 ぼーっと廊下を歩いていたら、丸めたノートでぽんと頭を叩かれた。
 脳細胞、死んじまうじゃん。跡部と違って、俺の方はこれ以上死んだら大変なんだぜ。
「HAPPY BIRTHDAY」
「―――え?」
 その言葉を頭で理解するまで、少しばかり時間がいった。
 そーいや、今日は俺の誕生日・・・・・・だったっけ。
 朝は遅刻ぎりぎりで駆け込んできたし、その後もばたばた忙しかったから、友達とまともにゆっくり話していない。
 そうでなければ、挨拶代わりにでも「おめでとう」とか言われてただろうけどな。ま、今日初めての祝いの言葉が跡部からっては、悪くない気分だけどよ。
「ひとつ年食ったんだから、少しは落ち着けよ、お兄ちゃん」
「跡部みてーに可愛くねー弟なんかいらねーよ!」
「くっくっく・・・・」
 悪戯っぽく笑う跡部の笑み。明るい蒼の目を隠していた綺麗な髪は今はない。跡部の今の顔は、どんな表情も今までより露になっていた。
 似合うし、格好良いんだけど・・・・やっぱり気にいらねー。早く伸びねーかな、と思う。
「じゃぁな」
「あ、うん。―――プレゼント、ありがと」
「さっさとしまえよ。似非眼鏡あたりに見られたら煩ぇぜ?」
「そ、だな。・・・・俺、いいのかな・・・・」
「向日」
「貰ってばかり、だから」
「ばーか。充分、返して、貰ってる。でなけりゃ祝わねぇよ」
「・・・・・・・・・・」
 
 跡部の顔はすっげぇ優しくて・・・・・・・クソクソ、抱きつきたくなっちまった。
 この時の跡部の笑顔が・・・・その後貰ったどのプレゼントよりも・・・・一番嬉しかった。
 
 
 
岳人はぴば文