21: YES   ※ バトテニ  (跡部・手塚・リョーマ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
※ バトロワパロの為人死に話が絡みますので御注意下さい

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「――青学以外の参加者は、一度プログラムを経ている」
「なっ?」
「そ、それって」
 跡部の言葉に手塚とリョーマの二人は驚愕に目を見開いた。
 プログラムに参加するのは生涯に一度である。その通例が今まで破られた事はなかった筈だった。
「特例、って最初に言ってただろーが。つまりはそういう事だよ」
「立海は真田と幸村が二人参加だ。プログラムの生き残りは一名ではなかったか?」
「基本はそうだ。が、例外もある」
「‥‥本当なのか?」
「んな趣味悪ぃ嘘言っても仕方ねぇだろ。話戻すぞ。お前らも参加となった今回のこの特例プログラムに先駆けて、全国でそれぞれの地区代表となったチームがプログラムの対象となった。そしてその生き残りがこれに参加している。プログラム版全国大会ってぇ事だろうよ」
「そんな、馬鹿な事が」
「まかり通ってんだよ、この国ではな。立海の件は・・恐らくお気に召したんだろうよ。見学者達の感性にな。どっちにしろ、これに参加させるつもりだったんだろう」
「全国というにはチーム数が少ないが」
「プログラムは必ずしも生き残りが出るとは限らない」
「・・・・跡部っ!」
「そういう事だ」
「アンタ、何でそんなに詳しいの?」
 それまで黙って耳を傾けていた越前が言葉を挟む。
「自分が置かれた状況が何もわからねぇなんて我慢できるわけないだろ。調べたんだよ。簡単じゃなかったが、俺様は有能だからな」
「お前は最初からわかっていたんだな」
「俺だけじゃねぇ。青学以外の奴等は皆わかっていた筈だ。いや、全員とは限らねぇな。最初のプログラムで終わったと思っていた所を放り込まれた奴もいただろうしな。手塚が言ったように、普通はプログラムの参加は一度だけと思っている。だが聡い奴等は覚悟していた筈だ。プログラムが終了したのにいつまでも政府の監視下に置かれてりゃ疑問を持たない方がおかしい。随分待たされたがな。恐らくは怪我人がある程度完治するまでの期間だったんだろうな」
「最初に言ってくれればこんな事にはっ!」
「わかってねぇな。あのバスに監視がついてねぇと思ってるのか?もし逃げ出したとしてもすぐさま軍隊に囲まれて狩られただけだ。下手すりゃその素振りが見えた途端バスごとどかん、だ。ちなみに事前にお前らに連絡をなんて論外だぜ?」
 無理なんだよ、と肩を竦める跡部に手塚とリョーマの二人はそれ以上問い詰める事もできない。 一介の中学生が(跡部を一般とするには無理があるけれど)この国相手に何ができるというのか。
 それはわかっている。わかってはいるのだが―――
 
「――跡部」
「んあ?」
「ひとつだけ教えて欲しい」
「別に一つに限んなくていーぜ。俺が答えてもいいと思ったら答えてやる」
「今はいい。ただ一つだけで」
「言いな。答えてやっから」
「―――今お前がここに在るのは、‥‥‥200名の氷帝テニス部の部員達、全ての上にお前が生きている。プログラムを生き延びたという事なんだな?」
「ああ。その答えは――『YES』だな。俺様がここに居るというのが揺るがしようもねぇ事実だろ」
「そうか」
 跡部の答えにリョーマの顔がぴきりと強張った。友人関係であったわけではない。だが、試合上で何度か顔を合わせ、また対戦をもした彼らの顔を思い浮かべたのだろう。 それに反し、質問を発した手塚の表情はぴくりとも動かなかったのが対照的とも言えた。
 
 
[ 2005.09.25 ]