「試合してよ」
「・・・・・・・・」
日曜の朝から問答無用で押しかけてきたリョーマの事を、手塚は無言で迎えた。その表情に変化はないが、歓迎していない事は明らかだ。
呼び鈴を押そうかと手を延ばした先で、扉を開けた手塚が出てきたのは良いタイミングであるのだが、けしてリョーマを出迎える為にではない。どう見ても出かける寸前の所をたまたま行きあってしまった状態なのだが、天上天下唯我独尊で知れるリョーマの事、その辺りを構うつもりはなかった。
「悪いが、出かける用事がある」
「キャンセルしてよ」
「生憎だが、それはできない」
「大事な後輩の頼みでも?」
「先約が先だ。試合ならば、先に延ばす事もできるだろう」
「そう言って、いつも相手してくんないじゃん」
「無断で試合を行うわけにはいかないからな」
「やっぱり逃げるつもりなんだ」
「そういうわけではない。とにかくどいてくれないか。待ち合わせに遅れる」
ほんの少し、手塚の口調には苛立った風な響きがあった。日頃冷静さで知られる手塚国光としては珍しい事である。最も、部を統括していた際には、何かと言えば睨みを効かせてグランドの外を走らせてくれたのだから、温厚さからは程遠いのだろうけれど。
「急いでるみたいだね」
「遅れるとうるさい奴なんだ」
「へーえ。もしかして、デート?」
リョーマは半分嫌がらせの意味も込めてそう言ったのだ。あの手塚とデート。これ程そぐわない言葉の組み合わせなどあるまい、と思いながら。しかしながら、リョーマの見極めはまだまだ甘いものだった。
「そうだ」
「は?」
端的にそれだけを言い切ると、手塚は視線だけでリョーマを脇へと寄かせた。視線に威圧されたわけではない。だが、ごく自然と体が身を引いてしまったのだ。
空いた隙間から抜け出ていく手塚の背を、リョーマは呆然とした態で1分程見送ってしまう。はっと気づいた時には、こちらを振向く事なくピンと伸ばされた背は曲がり角に消えようとしていた所で、リョーマは慌てて元部長の背を追いかけた。
脳裏においては「嘘だろ?」「まさか」の疑問符ばかりが点滅している。大体において、あの、朴念人として名高い手塚部長と誰が付き合うというのか。いや、顔もスタイルも頭も良くて、テニス部の部長で生徒会長でもあった人なので、もの凄くもてた(現在進行形)そうだが・・正面切って告白できる女生徒が居なかったという事も同時に聞いているのだ。あの、どう見ても中学生とは思えない落ち着きぶりや外観に、誰しも気後れして二の足を踏んでしまうらしい。
もし、そんな障害をものともせずに告白に踏み切る者が居たとしても、それはテニス部面々(特に三年生メンバー)の鬼の目をかいくぐる事などまずできないだろう。電光石火の速さで、即座に情報が伝達される筈だった。だが、一番親しく付き合い、肘の故障の件も二人のみの秘密で押し隠してきた親友関係にあたるらしい大石先輩も、食わせ者で名高い不二先輩も、一体何処から情報を得ているのか謎な必殺データマンの名を持つ乾先輩にしたところで、そんな事実は掴んでいない。
あの人はその場限りの誤魔化しといった類の嘘を付く人ではない。デートと言ったからには、真実デートなのだろう。そして、恐らく相手は学外の人物だ。今まで耳に入ってこなかったのは、手塚が細心の注意を払って押し隠してきたという事なのだろう。
そうなってくると、むくむくと好奇心が湧き上がってくる。また、ここで相手の顔を拝んでおけば、そのネタを元に勝負に持ち込む事もできるかもしれない。そんな計算もあって、リョーマは手塚の後をつける事としたのだ。
――――と、そんな視線の先で、リョーマは信じられない光景にぶちあたる。
リョーマとの問答に引っかかってしまった為か、足早に急ぐ手塚の後を追うのはコンパスの差からいっても簡単ではなかった。多少息を切らしながらも、何とか見失わずに追うのが精一杯。加えて相手にばれないように気を使わなければならなかったのだが、気が急いているのか、手塚は後方を駆けているリョーマの存在に気づく事はなかった。
それはそれで、少しばかり面白くない事だけれど。
ともあれ、何とかバレずにリョーマは手塚の目的地まで、追跡しきったのだった。その結果。
待ち合わせの場所に居た人物は、手塚と変わらぬ程に長身の、均整の取れた体躯の―――何度か対面した事のある人物。一度はネットを挟み、対峙した事すらある。
氷帝学園、跡部景吾。
何であの人が――と思う先で、リョーマの勘違いではない事に、手塚の顔を発見した途端、跡部の顔が見た事も無い程に柔らかに微笑んだ。
「・・・・・・・・・・・・」
何アレ?
と、思わずリョーマが瞬間硬直しても致し方ない事だろう。リョーマにとっての跡部という存在は、いつも皮肉気な笑みを浮かべ、挑発的な物言いと視線を遠慮なくぶつけてくる癖に、こちらが勝負をしかけると肩透かしをしてくれる、嫌みったらしい存在なのだ。無駄に自信に溢れているのもどうしたものかと思う。確かに、実力的にはすごい人ではあるのだけれど。
しかしながら、威力の上ではもっと強烈なものがその後待ち構えていた。
最終兵器とも称しておかしくない程のそれは―――手塚国光の微笑みである。
・・・・・・・・・・・・・・・幻覚?
そう思える程に、衝撃的だ。全てを包み込むような温かな眼差しと、甘っ!!としか言いようがない溶け崩れるような微笑み。あの鉄面皮が崩れてそんな表情に変化するなど、青春学園の者達は誰も想像すらしないに違いない。三日は魘されそうだ――とリョーマはその破壊力に衝撃プラス眩暈を覚えた。
タイミングが良かったのか悪かったのか、その手塚の表情を見たのはどうやらリョーマだけのようだった。たまたま、跡部が一瞬視線を逸らした隙に浮かべられた、瞬間的な表情。果たして得をしたのかババを引いたのか。何とも判断し辛いリョーマである。
歩きだした二人の後ろから、ふらふらと付いていくリョーマは、それでも何とか「隠れて尾行」という意識は辛うじて残っていた。人混みの中でも、明らかなオーラを放つ二人である。見失いようが無いのは幸いだった。
こっそり付いていく内に、衝撃も薄れリョーマも冷静さを取戻していく。
別にあの二人が待ち合わせをしていたとて、確かに意外ではあるがあり得ぬ事ではない。どちらも、強豪校のテニス部部長同士でかつ生徒会長であった二人。公私共にそこそこ親しい関係であってもおかしくはない。そういえば、と思い出せば、あの手塚部長が跡部に対しては他とは違う態度を取っていたではないだろうか。誰に挑発を受けても、まるで相手を見えていないが如く応じる手塚が、跡部に対しては僅かながらも反応を返した。
そして、あの、頂上決戦と呼ばれた関東大会での試合。何故だかあの試合程に、脳裏に焼きついて離れない試合はない。そして、あの時程熱くなった手塚というものを、後にも先にも見た事はなかった。
あまり面白い事ではないが、手塚と跡部の二人は気が合うのかもしれない。何処か似た所のある二人だ。ぱっと見には正反対の二人であるが、本質的には近しい所がある。
「・・・・・・・・・・うちの部長の方が上だけどね」、などと、思わずリョーマの口を、身贔屓としか言いようのない言葉が口をついてしまうが。
二人はもしかすると、この後スポーツ施設か何かに行くのかもしれない。どちらもラケットを持っていないが、あの跡部の事だから、何処かの施設内に揃えていてもおかしくない。自分の誘いを断っておきながら、跡部と試合をするのだろうか。それはずるい――と、思ってしまうリョーマだった。
しかしながら、リョーマの視線の先で二人が入っていった建物は、スポーツ倶楽部の類には見えなかった。屋上にテニスコートがあるような注意書きもない。
そこは、単なる映画館でしかなかった。
「まさか、撒くつもり・・・・?」
自分の尾行に気づき、建物を利用して撒こうとでもしているのだろうか。そんな素振りは全く見せない二人だったが、手塚はともかく跡部にならばそんな意地の悪さはお手の物のような気がする。裏口の方を張った方が良いか、それとも更に裏をかいて正面から出てくるかもしれない・・・・と、悩みはしたが、結局正面入口をしばらく見守る事とした。たかだか中学一年生の身であるので、入場券を買って中を確認するには懐具合が乏しい。最も、リョーマの外観ならば、子供料金で充分通せそうではあったが、それは本人的に認めるには口惜しいポイントなのだった。
しばし待つ事2時間程。折角の休日に自分は一体何をやっているのだろうと、腐りかけ始めてきた頃、ぞろぞろと映画館より人が出てきた。どうやら上映が終わったらしい。目を凝らして人の群れを凝視していると、やはりその中でも目立つ二人を見つける事ができて、ほっと息を吐いた。
二人は談笑しながら歩いている。その手の中には映画のパンフレットらしきものが握られており、確かに映画を楽しんできたようだ。
映画鑑賞。
デートコースとしては、使い古された感はあるが定番と言えなくも無い。
だがしかし。この場合、『デート』と取って果たして本当に良いのだろうか?
何しろ、どんとこれでもかとばかりに映画館の看板には、『釣り馬鹿日誌』と描かれているのだ。今日び、デートでそんな映画を見るだろうか?いや、見ないだろう。
大体そもそもあの二人である。デートなどと思う方が勘違いも極まっているというものだ。そういえば、手塚部長は釣りが趣味だったな、と乾先輩仕込みのデータを思い出す。ついでに何故だか氷帝の跡部景吾も釣りが趣味だと聞いた事があった。つまるところはあれだろう。共通の趣味を持った、同年代にはまず同意を得られないだろう趣味だけに、揃って映画を観る約束でもしたのだ――そんな風にリョーマは結論づけた。
くるる、と腹の音が鳴った途端、空腹に気づく。こんな事なら放映中に何か買ってくるか食べておけば良かったと思うが後の祭りだ。
手塚と跡部の二人も、やはり空腹を覚えたのか、幾つか飲食店を眺めては何やら話していた。あの跡部の事だから、恐らく馬鹿高い店にでも入るのだろうと思っていたのだが、その予測はまたしても裏切られた。
手塚の腕を引き、跡部が入っていった店は―――何と『立ち食い蕎麦屋』。何の冗談かと、目を疑ってしまう。
跡部景吾と手塚国光が立ち食い蕎麦屋で蕎麦をすする。
恐ろしく、似合わない。いや、後者に関しては妙なマッチ感があるとも無いとも言えぬ事はないが。サラリーマンの昼食光景――とか何とかは、言わぬが花というものだろう。
そっと、物陰から店内を見ていると、やはり物凄く浮いていた。特にと指定するまでもなく、跡部の姿が。蕎麦屋の厨房に立つ人にも戸惑いが見える。それはそうだろう。ただの西洋人的風貌というだけならばともかく、どう見ても上流階級――しかも特上の階級――の子弟にしか見えぬ跡部が、カウンター越しに立っているとすれば、驚かずにはいられまい。
「・・・・・・迷惑な人だよね」
ぼそっと、無駄にプレッシャーを与えているであろう相手に聞こえぬながらも文句のような呟きを吐いてしまう。それは、空腹を抱えるリョーマの前で、立ち食い蕎麦とはいえ、食事をしている二人への恨み言的意味もないでもなかったけれど。
立ち食い蕎麦屋から出てきた二人は、急ぐ風でもなくまた別の方向へと向かっていった。今度こそ何処かのコートに向かうのかもしれない、と思ったが、二人の向かった先はただの公園だった。案内図を見てみても、庭園やら池やらはあるのだが、テニスコートの類はない。どうやら単に食後の散歩に来ただけだけらしい。
映画――食事――公園。
文字だけ並べてみれば立派なデートコース。
だがされどしかし、相手はあの二人。手塚国光及び跡部景吾。
二人とも、日頃の近寄り難さが微妙に薄れて寛いだ風ではあるが、恋人同士の甘やかな雰囲気からは程遠い。それはそうだろう。何しろあの二人、なのだから。
二人は池を前に芝生に腰を降ろし、何やら楽し気に話している。手塚の顔は相変わらず硬い表情なのだが、それでもどこか柔らかで穏やかなような気が――する。
ここら辺りで、好い加減リョーマの苛々がMAXとなった。
「―――ちょっと!!」
「あ?」
「越前。何故、お前がここに」
「別に、偶然通りかかっただけっス」
「そうか。それは偶然だな」
「・・・・・・・・偶然、ねぇ」
あっさりリョーマの言葉を疑いもせず受け入れた手塚と違い、跡部は疑わしそうな表情を浮かべるが、疑問を口にはしなかった。やっぱり厄介な奴――とリョーマは跡部に対する認識を新たにする。
「それで何の用だ?急用でないのならば、今日の所は控えてくれないか」
「そっちの人とデートだから?」
「そうだ」
「・・・・・・・・・・」
あまりに素っ気無い言い方にむっときて、嫌味混じりにからかいの言葉を発すればあっさり肯定される。手塚という人物への認識がまだまだ甘いと思い知らされるリョーマである。
「おいおい。あまり後輩苛めすんなよな」
「そういうつもりはない」
「ふぅん。ま、このチビも、拗ねてるだけだろうがな」
「誰が拗ねてなんかっ!」
「あーはいはい。大事な部長さんを取られたみたいで、口惜しいんだろ?おら、今日は休日で手塚は引退した身なんだ。いつまでも甘えてんじゃねーよ」
「何すっ!」
ぴんっと、鼻の頭を指で弾かれたリョーマは跡部に反射的に噛み付くが、跡部の方はそんなリョーマの反応を明らかに楽しんでいる。その横で手塚がやれやれといった態で溜息を吐くのが見えた。
「手塚部長、こんなのとデートなんて、趣味が悪いんじゃないっスか?」
「俺はもう部長ではない。それと、こんなのとはないだろう。仮にも目上の人物に対して。大体、跡部が相手で何故趣味が悪いと言うんだ?」
「サイアクっスよ」
「そうか。俺とは異なる見解だな」
「――――」
しれっと言い切る手塚に二の句が告げない。跡部はといえば、手塚の肩に手を乗せ、くっくと含み笑いに肩を震わせていた。
「笑い事、なんだ」
「・・・・・っ・・・・・まぁな。てめーの甘えた様なんざ、見れるたぁいい収穫だ」
「本っ当、趣味悪い」
「褒めてくれてありがとよ」
「褒めてないし」
「くくく。ま、少しクールになんな。確かにこれはデートだが、真似事なんだからよ」
「どういう意味?」
ひとしきり笑って気が済んだのか、跡部からリョーマをからかう雰囲気は消えていた。興奮した子供を宥めるかのような、穏やかな口調。突っかかっていけばいく程に、自分が子供と思い知らされるような感がある。
「言葉通りの意味だ。手塚の奴が、この年までデート一つした事が無いと聞いたんでな、何なら俺が付き合ってやろうか?って話になってな。ま、レクチャーしてやってるってわけだ」
「・・・・・・・・デートにしては、映画も食事もズレてるんじゃないの?」
「だから真似事だって言っただろ。しかし越前よ、偶然此処に来たんじゃねぇのか?」
「―――――」
何で映画の内容や食事に入った店を知っている?と、蒼の瞳が悪戯っぽく輝いた。あっさり誘導尋問にひっかかってしまったリョーマは口惜しげに唇を噛む。
だが、そんなリョーマよりも、重苦しい空気を背負った人物が居た。すっかり蚊帳の外と成り果てていた手塚である。
「どうしたんだ手塚?不景気そうな面しやがってよ」
「元からだ」
「そりゃ、自覚があって何よりだがな。構ってやらねぇからって拗ねてんのか?」
「別にそんな事はない」
「ほーお。ならば、機嫌を悪くしてる理由を言ってみろよ」
「・・・・・・・お前は」
「アーン?」
「――――誰とでも、『デート』をするのか?」
「はぁ?」
いやに真剣な面持ちで何を言うかと思えば、手塚が口にしたのはまるで痴話喧嘩とも取れるような言葉で。何ともいたたまれない気分となってくるリョーマである。いや、すでに自分の存在は忘れられているかも、と思わなくもなかった。
「真似事だと言ったが、デートというものは好き合った者同士がするものではないのか?」
「その解釈は間違いではないがな。お前、ちょっと落ち着け。それだとまるで俺の事を好きだと言ってるみたいだぜ?」
「俺は好意を持っていない相手とデートなどしない」
「・・・・・・・・・そーかよ」
きっぱりと言い切る手塚にどうしたものかと跡部が視線を泳がす。その視線がふいにリョーマと合った。「どう思う?」と目線で問われたので、リョーマは「知らないよ」と助け手となるつもりもないので、あっさり返した。
「なぁ手塚。てめーの言葉が足らないのは、知っちゃぁいるが、誤解を招く言い方はこの先改めていった方が良いと思うぞ」
「何が誤解だと言うのだ?」
「だから、てめーの言い方だと、俺様に対して友情以上の好意を抱いているように聞こえなくもないって事だ。下手な誤解をする奴も居るからな、言動には注意した方がいいぜ」
「誤解を招く言い方などしていない。本心からの言葉を口にした。だが、跡部、お前にとっては違ったという事だな。済まない。迷惑をかけた」
「って、何謝ってんだよっ!」
「・・・・・・・・・・・・・」
それきり、口を閉じた手塚の表情は沈痛とも言えるもので。重い表情からは、先程の穏やかな雰囲気など消えうせている。
柄じゃないけれど。本当に柄ではないけれど。こんな手塚の様を見てしまったら、お節介を焼かずにはいられないというものであろう。
「ねぇ」
「んだよ。・・・越前、てめぇまだ居たのか?」
「悪かったね。あのさ、手塚部長、冗談通じない人だからさ。本気、みたいなんだけど」
「確かに、冗談は通じねぇ奴だけどな」
「茶化さないでよ。それで、アンタはどう思ってるの?手塚部長の事」
「―――――」
単刀直入ストレート1本勝負。
小細工せずに聞くと、いつもの嘲笑のような笑みを浮かべようとした跡部はその途中で表情を止めた。
「逃げるの?」
「・・・・・・・逃げねぇよ」
「じらすの好きだよね、アンタ」
「うるせぇな。何でもガンガンいきゃいいってもんでもねぇだろ。――――ちっ、お前、もう帰れ」
「見届けるまで、帰れないんだけど」
「ばーか。覗き見紛いの事はもう止めとけ。俺様はこの後、手塚と話しがある。二人きりで、だ」
リョーマを追い払うようにしっしと手を振る跡部は、真摯な表情を浮かべていた。黙りこんだままの手塚の方が、今度は戸惑っている。
「ふぅん。まだまだだね」
「ああ、まだまだこれから、だ。わかったら帰れ」
「―――今日の所はアンタに預けとく」
「ありがとよ」
どうやらこれからが正念場らしい二人の間に自分が居るのは確かに邪魔なようなので、この場は引いておくか――と、跡部の言葉に従う事にした。
全く、何で自分がキューピット紛いの事をしなけりゃならないんだよ、と文句を言いたい気分でもあったが、これをネタにあの二人と後日勝負が出来るかもしれないので、これはこれで良しとするか・・・・と足取りも軽く、家路へと向かうリョーマなのだった。
―END―
(2006/06/18)
3456スライドリクの楽様へ
リクエスト: [ 手塚さんとのデート(??)にうっかり着いていくことになったリョーマさん ]